【雑談】それは正しい選択なのか?~生存者バイアス~
いきなり問題です。
第二次世界大戦中のアメリカ軍では、敵の射撃による戦闘機の損失を抑える方法を検討していました。
そこで、任務から戻った爆撃機が受けた損傷について、データを集計しました。
その結果が下記の写真です。
赤い点の部分が、爆撃機が損傷していた部分を表します。
このデータの結果を踏まえて、爆撃機にさらに装甲を施すことにしました。
どの部分に装甲を施せばいいでしょう?
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■正解
損傷が少なかった部分を中心に装甲を施す。
(赤い点の部分以外)
■解説
損傷個所のデータは、帰還した爆撃機から集計されているため、
帰還できなかった爆撃機のデータは入っていません。
(言い換えると、生存した爆撃機のデータだけです)
逆に言うと、損傷個所のデータは、損傷しても帰還できる場所を表していると言えます。
生存バイアス(せいぞんバイアス)とは、何らかの選択過程を通過した人・物・事のみを基準として判断を行い、通過に失敗した人・物・事が見えなくなることである。
(引用元:wikipedia「生存者バイアス」)
(生存者バイアスの例)
- 熊にあったら死んだふりをする。 ←生存者にしか聞いていない。
- 内定者から就活生へのアドアイス ←本当に必要なアドバイスは内定者にもらってない人のアドバイスかも…
- この本を読めば、○○大学に合格する ←一部に過ぎない。読んでも落ちている人はわざわざ情報発信しない。
データに基づいた、一見正しそうな判断に見えても、データの集計方法に偏りがあったりすると、まったく不正解の判断になるので注意が必要です。
生存者バイアスを回避する方法としては、以下があります。
- 1つの物事を違う視点で見る。
- 成功者だけでなく、失敗者、反対意見を聞く。
- 期待値を計算する。
■身近に感じた生存者バイアス
あるテレビ番組のインタビューで「緊急事態宣言が出ているのに、なぜ外出しているのか?」という問いを若者にし、
多くの若者は「他人事のように感じる」とか「政府の言葉に重みを感じない」と言っていました。
そこで、番組側は「意識の低い若者が多い。若者はもっと自覚ある行動を!」と結論付けていました。
そこで思ったことは、「繁華街へ外出している人はそもそも意識が低い人なので、意識の低い人の割合が高いのは当然じゃね?意識の低い人は自粛してるから、そっちにもインタビューするべきでしょ」です。
テレビにしても会議にしても、いろんな観点で物事を見る習慣を持たないといかんなと思いました。
ではでは!